写真怪談

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香炉に残る重さ

都心の廟で、黒い香炉の下だけに残る「重さ」を、誰も説明できなかった。
写真怪談

雨の日だけ乾く床

雨の日のバスで、乗降口から運転席へ向かって少しずつ伸びる「乾いた筋」を、整備員たちは最後までただの熱とは呼べなかった。
写真怪談

三歩目の顔

事故も規制もない住宅街の交差点で、二人の警察官だけが、通り過ぎる人間の「後ろ」を見続けていた。
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荷台から降りる影

真昼の住宅街で荷物を下ろしていただけなのに、開け放した荷台から「人のいない影」が少しずつ降りてきた。
晩酌怪談

シャッターが一枚多い

いつも吊られている提灯が落ちていた朝、閉じたシャッターには、昨日まで存在しなかった横線が一本増えていた。
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更地の階段

建物を壊せば、そこにあったものも消える。けれど雨に濡れた更地で、作業員の足だけが地面へ届かなかった。
写真怪談

神輿の後ろの一人分

人で埋まった祭りの通りで、神輿の後ろにだけ、誰も入ろうとしない「一人分」があった。警察官の肩に残ったのは、触れてもいない縄の重さだった。
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灯りの輪の外に立つ人

焚き火を囲んでいたのは、確かに三人だった。けれど森の暗がりには、火が弱くなるほど輪郭をはっきりさせる誰かが立っていた。
写真怪談

青い養生の奥の部屋

空き家の脇を覆う青い養生の前では、ときどき、そこにあるはずのない「誰かの暮らし」の匂いがする。
写真怪談

赤で沈む足元

雨に濡れた駅前の赤信号。渡るだけの場所で、足元だけがこちらを引き留めてくる。
写真怪談

予約のない客

満席の寿司屋の外に、予約をしていない男が立っていた。戸を開けても誰もいない。けれど、窓際の狸には、人の指が食い込んだ跡だけが残っていた。#飲食店の怪談 #見えない存在 #目撃証言 #AI怪談 #AI怪談工房
写真怪談

根のない草

建物の裏で伸びていた、どこにでもありそうな一本の草。引けば離れた管の草まで動き、切れば翌朝には元へ戻る。やがて作業員たちは、それが「管の中」を通っているのではないと知る。
写真怪談

四度目の赤い印

外壁作業中、一本のロープにだけ、長さでは説明できない異変が起きた。地上から見れば、二人はただ並んで吊られているだけだった。
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袋に捨てた音

夜の公園で、分別箱の前に置かれた二つの白い袋には、重さでは説明できない妙な「静けさ」がまとわりついていた。
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乗る前の白い息

空港行きのバスを待つだけの夕方、乗り場の係員は、気温では説明できない「白さ」に気づいた。
写真怪談

カーテンを引く音

亡くなった住人の部屋から、毎晩聞こえるカーテンを引く音。けれどそのカーテンは固定され、やがてレールごと取り外された。それでも午前二時十三分になると、何もない窓は右端から少しずつ暗くなっていく。
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水位線

寺町の奥で守られてきた、小さな湧水の池。古い管理人たちは、九月一日だけ「昼を過ぎるまで岸に触るな」と言い残していた。震災のあとに移ってきた寺と、池が毎年測り直しているものとは――。
写真怪談

逆回りのペダル

誰もいない二階の駐輪場で、精算を終えるたび、停められた自転車のペダルが一台ずつ後ろへ回る。車輪は、どれも動いていない。