2026-10

写真怪談

無音を積む荷台

落ちた土砂は、確かに荷台を揺らした。けれど、その衝撃だけが聞こえなかった。消えたはずの音が戻ってきたのは、トラックが空になった夜だった。
写真怪談

眠りの通る窓

窓際では二人が眠り、ホームでは大勢の人が行き交っていた。異変が起きたのは、その黒い窓枠の内側だけだった。
写真怪談

十五段目の錆

十四段だったはずの錆びた外階段は、解体を待つあいだ、一段ずつ長くなっていった。
写真怪談

同じ手袋が二つ

共有畑の支柱に残されていた、使い古した手袋。持ち主はすぐに見つかった――ただし、その人の鞄の中にも、まったく同じ手袋が入っていた。
ウラシリ怪談

土が空けていた一間

埋め戻したはずの土地で、青いシートの上の土だけが、毎朝ひとつの「空き部屋」を作っていました。
写真怪談

平らにならない土

平らにしたはずの駐車場の中央へ、毎朝同じ土の山が戻ってくる。青いシートで地面を塞いでも、それは止まらなかった。
ウラシリ怪談

公開情報だけが、あたたかかった

止められたAIの研究室で、誰も印刷していない「公開情報だけの紙」が一枚ずつ増えていった――そこには、ネットには載っていないはずの“温度”が残っていました。
写真怪談

三人乗りの空洞

雨上がりの公園で、三人乗りの赤い遊具に触れた作業員は、硬い座面の下から妙な力を感じた。壊れているようには見えない。けれど撤去して調べると、その異常は外からは決して触れられない場所に残っていた。