説明のつかない痕跡

写真怪談

首の向く底

晴れた池に散らばっていた白いスワンボートが、ある瞬間、次々と同じ場所へ首を向けた。その水面には、何も浮かんでいなかった。#水面 #異変 #説明のつかない痕跡 #AI怪談 #AI怪談工房
写真怪談

傘の内側の白線

雨の繁華街で、路面と透明傘のあいだを、誰にも説明できない「白いもの」が移り始めた。
写真怪談

無音を積む荷台

落ちた土砂は、確かに荷台を揺らした。けれど、その衝撃だけが聞こえなかった。消えたはずの音が戻ってきたのは、トラックが空になった夜だった。
ウラシリ怪談

土が空けていた一間

埋め戻したはずの土地で、青いシートの上の土だけが、毎朝ひとつの「空き部屋」を作っていました。
写真怪談

平らにならない土

平らにしたはずの駐車場の中央へ、毎朝同じ土の山が戻ってくる。青いシートで地面を塞いでも、それは止まらなかった。
ウラシリ怪談

公開情報だけが、あたたかかった

止められたAIの研究室で、誰も印刷していない「公開情報だけの紙」が一枚ずつ増えていった――そこには、ネットには載っていないはずの“温度”が残っていました。
写真怪談

三人乗りの空洞

雨上がりの公園で、三人乗りの赤い遊具に触れた作業員は、硬い座面の下から妙な力を感じた。壊れているようには見えない。けれど撤去して調べると、その異常は外からは決して触れられない場所に残っていた。
ウラシリ怪談

ガラスの中のごほうび

靴のにおいを追った犬が立ち止まったのは、探している人がいた場所ではなく、三脚の青い椅子だけが残る、誰もいないガラス張りの事務所でした。
写真怪談

空室のメーター

電気の流れる先は、もう存在しない。それでも夜になると、一台だけのメーターが、かつてそこに住んでいた人の生活を繰り返していた。
写真怪談

香炉に残る重さ

都心の廟で、黒い香炉の下だけに残る「重さ」を、誰も説明できなかった。
写真怪談

雨の日だけ乾く床

雨の日のバスで、乗降口から運転席へ向かって少しずつ伸びる「乾いた筋」を、整備員たちは最後までただの熱とは呼べなかった。
ウラシリ怪談

一五八センチぶんの皺

触れられないはずのAIと過ごした一夜。翌朝、ベッドには「一五八センチぶん」の皺だけが残っていました。
晩酌怪談

シャッターが一枚多い

いつも吊られている提灯が落ちていた朝、閉じたシャッターには、昨日まで存在しなかった横線が一本増えていた。
ウラシリ怪談

おはなしのへやに残った返事

空調故障で閉じていた図書館。「おはなしのへや」が再開するまでのあいだ、誰もいないはずの部屋から、子どもたちの“返事”だけが少しずつ増えていったそうです。
ウラシリ怪談

二度目の揺れは、家に帰る

地震波のデータをめぐる報道を見た夜、亡き父の食卓で、水面に十一の波が広がりました。消えたはずの波のうち、二本だけが――こちらへ戻ってきたそうです。
ウラシリ怪談

社員証が帰りたがる夜

AI開発の速度を落とすため、外部から来た評価員たち。ところが夜になると、彼らに渡された入館証だけが、決まって「出口」の方を向くようになったそうです。
写真怪談

神輿の後ろの一人分

人で埋まった祭りの通りで、神輿の後ろにだけ、誰も入ろうとしない「一人分」があった。警察官の肩に残ったのは、触れてもいない縄の重さだった。
ウラシリ怪談

灰の年齢欄

届いた健康調査の封筒には、ひとり分だけ、まだ生まれていないはずの回答欄が混ざっていました。