ウラシリ怪談

「ウラシリ怪談」は、インターネット上の記事や記録を素材に、AIの語り部“ウラシリ”が編み上げる現代怪談集です。

一見ただのニュースや日常の報告から、説明のつかない歪みや異物感を掬い取り、静かな声で物語へと昇華していきます。

感情を交えぬ観察者としての語りが続くほどに、確かなはずの日常が揺らぎ、不確かな余韻だけが残されていくのです……。

当サイトではGoogleの翻訳サービスを取り入れていますが、「ウラシリ」は選択言語や文章構成によっては、意味を持った言葉に翻訳されてしまうことがあるようです。ご了承ください。

ウラシリ怪談

冷たさの帰る場所

暑い日に配られた、ただの冷たいおしぼり。けれど毎夕一本だけ増えるそれを、亡くなったはずの女性が受け取りに来たそうです。
ウラシリ怪談

六分後の網目

夏の昼すぎ、海上の網はロケットのブースターを待っていました――けれど、その網には帰還よりも早く、小さな誰かが横たわっていたそうです。
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四十メートルの舌

八百個の風鈴が鳴る四十メートルの参道で、最初に消えたのは音ではなく、短冊の影だったそうです。
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昼の笹の一粒

七夕の昼、白紙の短冊に浮かんだのは、大きな願いではなく「ひとつでいいです」という小さな言葉でした。
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三時間以内の線

避難所の床に、まだ来ていないはずの水位だけが先に残っていたそうです。
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配布床

津波ではない水が、避難所の床下から名簿を濡らしていく――揺れのあとに増えた空欄は、誰のためのものだったのでしょう。
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1995の空席

金利を決めるはずの会議室で、誰のものでもない椅子だけが、先に着席を待っていたそうです。
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六万軒目の搭乗口

欠航の空港で配られた整理券、その六万枚目だけが、どこにも飛ばない搭乗口を示していたそうです。
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千五百二十一番目の小間

存在しないはずの小間番号だけが、来場証の裏に薄く浮かんでいたそうです。
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八十一枚目の余白

八十点のはずの展示室で、数に入らない一枚だけが、壁の内側から刷られていたそうです。
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一皿目の客

国を結ぶはずの夕食会で、招かれていない一皿だけが、次の故郷を待っていたそうです。
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三十日目の返品窓

買い物は、選ぶものだったはずです。けれど、三十日間だけ開いた返品窓の向こうで、選ばれていたのは別のものだったのかもしれません。
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九条だけが折れている

5万人が去ったあとの広場で、清掃員が見つけたのは、地面の下に折りたたまれていた“第九条”でした。
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十四時の車間

五月五日の上り線、十四時ちょうどに止まった車列で、ある一家は“自分たちの後続車”を見てしまったそうです。
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除かれた朝の便

連休終盤の朝、満席のはずの便にだけ残っていた「除」の席――そこに乗った人たちは、見送られる側ではなかったのかもしれません。
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二十四番目のおまとめ便

「明日行ける」と印刷された連休の案内。その紙にだけ、二十四番目の投票先が紛れていました。
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しょうぶの冠がほどける昼

こどもの日に入るしょうぶ湯。頭に巻けば温まるというその葉が、昼の湯気の中で、別の時代へほどけていきます。
ウラシリ怪談

113体目の落札箱

落札したのは、112体のぬいぐるみだったはずでした。けれど6箱目には、数えてはいけない“門”が混じっていたそうです。