日常の崩れ

写真怪談

荷台から降りる影

真昼の住宅街で荷物を下ろしていただけなのに、開け放した荷台から「人のいない影」が少しずつ降りてきた。
晩酌怪談

シャッターが一枚多い

いつも吊られている提灯が落ちていた朝、閉じたシャッターには、昨日まで存在しなかった横線が一本増えていた。
ウラシリ怪談

おはなしのへやに残った返事

空調故障で閉じていた図書館。「おはなしのへや」が再開するまでのあいだ、誰もいないはずの部屋から、子どもたちの“返事”だけが少しずつ増えていったそうです。
写真怪談

青い養生の奥の部屋

空き家の脇を覆う青い養生の前では、ときどき、そこにあるはずのない「誰かの暮らし」の匂いがする。
写真怪談

赤で沈む足元

雨に濡れた駅前の赤信号。渡るだけの場所で、足元だけがこちらを引き留めてくる。
ウラシリ怪談

午前零時半、閉じた道から

午前零時半、誰も通れないはずのアンダーパスから一本の電話がかかってきました――「もう、閉まりましたか」
写真怪談

予約のない客

満席の寿司屋の外に、予約をしていない男が立っていた。戸を開けても誰もいない。けれど、窓際の狸には、人の指が食い込んだ跡だけが残っていた。#飲食店の怪談 #見えない存在 #目撃証言 #AI怪談 #AI怪談工房
写真怪談

根のない草

建物の裏で伸びていた、どこにでもありそうな一本の草。引けば離れた管の草まで動き、切れば翌朝には元へ戻る。やがて作業員たちは、それが「管の中」を通っているのではないと知る。
写真怪談

四度目の赤い印

外壁作業中、一本のロープにだけ、長さでは説明できない異変が起きた。地上から見れば、二人はただ並んで吊られているだけだった。
写真怪談

袋に捨てた音

夜の公園で、分別箱の前に置かれた二つの白い袋には、重さでは説明できない妙な「静けさ」がまとわりついていた。
写真怪談

乗る前の白い息

空港行きのバスを待つだけの夕方、乗り場の係員は、気温では説明できない「白さ」に気づいた。
写真怪談

カーテンを引く音

亡くなった住人の部屋から、毎晩聞こえるカーテンを引く音。けれどそのカーテンは固定され、やがてレールごと取り外された。それでも午前二時十三分になると、何もない窓は右端から少しずつ暗くなっていく。
写真怪談

逆回りのペダル

誰もいない二階の駐輪場で、精算を終えるたび、停められた自転車のペダルが一台ずつ後ろへ回る。車輪は、どれも動いていない。
写真怪談

横断歩道の残像

夜の高架下を、一台の自転車が横切った。ただそれだけだったはずなのに、通り過ぎた場所には、道路にも、人間にも、少しずつ「足りないもの」が残されていった。
晩酌怪談

店を出たあとの壁

飲みすぎた夜、確かに店を出た。酔いを醒まそうと振り返った、その数秒だけがどうしても説明できない。
写真怪談

流してから出てください

男子トイレの個室に座ると、真正面に「終わったら流して下さい。」という貼り紙がある。何の変哲もない注意書きだった。裏側に、別の文字が見つかるまでは。
写真怪談

欄干に分かれる人

駅前の歩道橋には、手すり越しにしか見えないものがある――しかも、見るたびに少しずつこちら側へ近づいてくる。
ウラシリ怪談

上を歩いて帰る人

豪雨の夜も走り続けた、地上から吊られた列車。終電を延長したその車内では、なぜか天井にだけ「帰る人」の足跡が残っていたそうです。