日常の崩れ

ウラシリ怪談

今日が終わらない見守り

電池交換が要らなくなった見守りは、亡くなったあとも“いつもの一日”を報告し続けたそうです。
写真怪談

消したはずの渦

住宅地の外れの角にある“程度の低い落書き”は、見るたびに少しずつ形を変えていった。
写真怪談

花壇の黒い輪

珍しく雪が降った翌日の公園、花壇を区切る黒いロープを見た夕方から、手首にだけ“輪”が残りはじめた。
写真怪談

席は窓際

閉店したはずのショーウィンドウが、内側から曇る夜がある——短冊の「本日おすすめ」が、なぜかあなたの席を決めてしまう。
ウラシリ怪談

支払方法:空白

閉店中のはずの無人店舗で、回収しても回収しても“空白のレシート”だけが増えていくそうです……。
ウラシリ怪談

三月末に“正式に”なるもの

公園に立った“柱”の隣には、縦長の大きな画面がありました――そこに浮かんだのは、案内ではなく「目次」でした。
ウラシリ怪談

二枚目の白紙

投票所で「二枚目」を受け取った人がいた――その一枚は、返しても返しても、なぜか残り続けたそうです。
写真怪談

緑の金網に残る白

雪の昼、緑道のフェンス越しに見上げた焼けたアパート――画面の中だけが先に“季節をずらし”、消せない一枚になっていく。
写真怪談

寺院通3番の着信

珍しく雪が積もった都内の昼下がり、「寺院通3番」で鳴ったはずのない着信。ガラスの“内側”に触れた瞬間、街角の静けさが形を変えはじめる。
写真怪談

蔦壁の結び目

蔦に覆われた外壁と、頭上を縫う電線——毎朝見ていた路地で、空が「欠けはじめる」。
ウラシリ怪談

六分おきの潮

吹雪の夜、避難所の非常口から“潮”が六分おきに入ってきたそうです…
写真怪談

黄色いリベットと「Hello」

都内の高架下、黄黒の橋脚に貼られた「Hello my name is」だけが、なぜかいつも新しい――その理由に気づいた夜から、呼ばれるはずの名前が消え始めた。
写真怪談

節の数が合わない

中庭の一本の木に空いた「丸い穴」。夕方になると、そこから“息”が漏れはじめた——。
ウラシリ怪談

二千五百一枚目の整理券

二千五百枚で終わるはずの整理券が、終わらなかったそうです…
写真怪談

右端のワイヤーカバー

二月初頭の夕方、スーパーの脇道に出る「だんご」屋台──右端に写り込んだ色褪せたカバーは、なぜ“黄色に戻る前”の顔をしていたのか。
写真怪談

照明列の欠け目

開演直前、白いスモークに飲まれた会場で「照明の列」だけが、数を変えはじめる。
晩酌怪談

網入りガラスの遅い影

休店日の居酒屋、その窓に並ぶ緑の瓶と街灯の反射――映り込みのはずの影だけが、なぜか“遅れて”残った。
ウラシリ怪談

塩の隆線

焼けて消えるはずの指紋が、なぜか“紙からだけ”消えていったそうです…