日常の崩れ

写真怪談

No Graffitiの白塗り

高架下の「落書き禁止」掲示のそばに残る白い消し跡――あれが隠しているのは、塗料では消せない“輪郭”でした。
ウラシリ怪談

廃止された黄色

廃止されたはずの黄色い袋が戻りはじめた町で…手引きの一行だけが毎回ちがう指示を告げたそうです…
写真怪談

302が息をする

曇天の昼、薄暗いエントランス脇の集合ポストで「302」だけが、何度回収しても封書を吐き戻す——。
写真怪談

給水タイムの奥

幹線道路沿いの搬入口で撮った一枚に、暗い通路の“壁際”にいるはずのないものが写っていた——静けさが異常だった理由を、写真だけが知っている。
写真怪談

壁画トンネルの影

海の壁画が残る薄暗いトンネル。出口の白い柵が近づかないとき、あなたの足元から“何か”が剥がれていく。
写真怪談

一輪車の戻り跡

住宅地の裏の貸し畑で、白い防虫ネットの弧が“数えたぶんだけ”増えていく。
写真怪談

靴だけ

休憩に入った瞬間だけ、トラックの下に“靴だけ”が立つ──畑の匂いを連れて、境界のほうへ一歩ずつ近づいてくる。
写真怪談

網目の欠け

畑と道を分けるオレンジのネット。その“弛んだ一点”をスマホで確かめた瞬間、三人の影が四つになった。
ウラシリ怪談

基準水位ここ

全戸配布のハザードマップにだけ 海の上の避難先が刷られていた家があるのだそうです…
写真怪談

角を曲がれない

午後三時の住宅街、交差点で配達のバイクが「角を曲がれない」――頭上の電線が震えた瞬間、街の影が一本ずつ抜かれていく。
写真怪談

影が先に青になる

昼の横断歩道で、影だけが信号より先に“青”になる──その一拍に足を預けた人から、白線の下へ消えていった。
写真怪談

空室の増える夕景

夕方の十五分だけ、あのマンションは“空室”ではなく“空き”を増やしていく――点くはずの灯りが点かない理由を、あなたは見上げて確かめられますか。
写真怪談

打設前の三時刻

雨もないのに濡れ続ける基礎、足場に増えていく黒い布――そして写真の「時刻」が三つに割れていた。打設前の現場で、何が“固められよう”としていたのか。
ウラシリ怪談

停止期間の並び

停止中の端末にだけ現れる列があるそうです…そこに並ぶのは“証明が欲しい人”ではないのかもしれません…
ウラシリ怪談

昼休止に並ぶ人たち

昼の一時間だけ閉めるはずの窓口に…見えない列だけが並び続けるようになったそうです…
写真怪談

水面に届くコード

夕暮れの池のベンチで、音のしないギター練習を見かけた――そう思った瞬間から、水面が「弾かれ」始めた。
写真怪談

三時四十四分の左側通行

改札を出て外へ降りる階段で、時計が「三時四十四分」から動かなくなった。逃げる理由もないまま、ただ“普通に降りよう”としてしまった――。
写真怪談

硬貨専用

人通りのない農園の販売機なのに、商品だけが「いつの間にか」売り切れていく——硬貨専用の扉の向こうで、誰が何を買っているのか。