写真怪談

写真怪談

四時の石材置き場

夕方4時、マンション裏の石材置き場で“ただの隙間”が、奥行きの理屈を捨てた――。
写真怪談

昼の縫い目

昼の工事現場で、忘れたふりをしていた“明け方の恐怖”が静かに蘇る。
晩酌怪談

塩の数字

“いつもの店”の“いつもの卓上”に、戻ってはいけない年が混ざっていた——。
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硝子の行列

駅前の雪像を撮った写真が、いつの間にか幼い日のアルバムに混ざっている。ガラスの向こうで“列”がつながり始めた。
写真怪談

カッ、と光る緑

雪の駅前、信号のリズムの隙間に混じる「カッ」。その瞬間だけ緑が滲み、背中だけが一拍遅れて残る——気づいた人から“現像”されていく。
写真怪談

こちら向き

吹雪の細道で、カーブミラーだけが“こちら向き”に光った夜――帰り道は、同じ場所へ何度でも返される。
写真怪談

昼穴(ひるあな)の雪

雪の午後、ほんの数分だけ雲が裂けて太陽がのぞいた――その“白”を見た人から、午後が削れていく。
写真怪談

足跡が呼吸する

国道沿いの歩道に、一直線の“狐の足跡”が残っていた――ただし、跡の底だけが妙に生ぬるく、きらきら光っていた。
写真怪談

雪を滑るもの

雪に埋もれた滑り台に、足跡のない“滑走の線”が一本だけ走っていた夜の話。
写真怪談

ジョーカーの席

散らばったトランプの中心に、なぜか“席”ができていた――実家の食卓で起きた、ババ抜きの後の静かな異変。
写真怪談

手を下ろさぬ

正月二日のアーケードで、笑うたぬきと写真を撮った——それだけのはずだったのに。
写真怪談

赤信号の棚

雪の夜、街の大通りに沿う公園を横切る交差点で見つけた“手のひらサイズの雪だるま”――それが増えるほど、赤信号は長くなっていった。
写真怪談

雪の下の零番改札

稼働中の田舎駅で、誰もいないのに改札が鳴る——雪が深い夜だけ現れる「零番線」は、どこへ繋がっているのか。
写真怪談

元旦営業の棚卸し

町外れの住宅街で、元旦から開いているスーパーを見つけた――ただの珍しさのはずが、「一月一日」そのものが棚卸しされていく。
写真怪談

茅の輪の向こうへ

大晦日の昼、初詣の準備が進む神社で茅の輪をくぐった――それだけのはずだったのに、輪の内側だけが妙に“あたたかい”。
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安全第一の灯

夕方の晴れ空の下、封鎖された団地の入口だけが“夜”になっていた――「安全第一」の灯りが、帰る場所を決めてしまう前に。
写真怪談

近道々

年末の露店通り、「駅近道→」の下を進むたび、案内の文字だけが増えていく。
写真怪談

逆向きの踏切は、終電のあとに開く

終電後の近道で、逆向きの踏切に入った――“向こう側”は、道ではなく順番待ちだった。