街角の異変

写真怪談

午後二時半、遠景に合う山

冬の午後2時半、郊外の道から見える富士山が“近づく”とき、遠景に合った視線だけが持っていかれる。
写真怪談

渡りきれない横断歩道

いつものバスから眺める横断歩道には、なぜか毎日同じ二人の子どもが渡りかけたまま写り込む──スマホの中の一枚の写真だけが、その「渡りきれない時間」を少しずつこちら側へずらしてくる。
写真怪談

壁で続いている作業

住宅街の電柱工事を眺めていると、民家の壁に貼りついた作業員の影だけが、いつまでも“落ちきれない”でいることに気づきました──。
写真怪談

地面の下を登校する子どもたち

地面に飲み込まれかけた一階の窓の前を、毎朝子どもたちが通り過ぎる──その窓の前で立ち止まった子を見てから、私は通学路をまっすぐ見られなくなった。
写真怪談

満開の通路に立つ人

商店街の片隅にある小さな花屋。その通路の真ん中だけは、夜七時を過ぎると「空いていてはいけない場所」になるらしい──。
写真怪談

余計な一人

オフィスの窓から見える非常階段には、いつも「一人余計な人」がいる──折り返しから降りきるところを、誰も見たことがないまま。
写真怪談

緑の網の下で眠るもの

住宅街の片隅、いつもゴミがひとつも置かれない緑の網と、四本のペットボトルだけが並ぶ集積所があった──その数が「五本」になった日から、私は遠回りをするようになった。
写真怪談

穴番の夕暮れ

夕暮れの公園で、数えきれない「穴」がゆっくりと目になった――余ったひとつは、今もあなたを探している。
ウラシリ怪談

目印のない角

地図アプリに対話型AIが入り、案内音声までAIがつとめるようになった――その声はやがて、地図にない“時間の目印”を語り始めます…
ウラシリ怪談

広いベンチの空席

丘の公園でベンチが広くなった日から、かならず一人分の空席が残るようになったという話がある…
写真怪談

青天に刺さった機影

渋谷の空に、針の先のような機影が“止まった”。動かすたびに何かが抜け落ちる――あなたの街で起きる、静かな消失の話。
ウラシリ怪談

柵の向こうで続く通報

夜明けの植え込みから、一度きりの報告だけが毎朝こぼれ続ける通りの話を聞きました…
写真怪談

専用の歩幅

雨上がりの明け方、住宅地の自転車レーンだけが毎朝わずかに光を溜めている。通るたび、路面の白が歩幅の前に先回りし、いつもの道順が静かに書き換えられていく。
写真怪談

下から呼ぶ音

夜の公園、濡れたマンホールの下から聞こえる“呼吸”。 それは、誰のものだったのだろう。
ウラシリ怪談

選ばれた声

その朝、通勤途中の人たちは、 スマホの画面に“ある名前”が浮かんでいるのを見たそうです…
ウラシリ怪談

夕暮れの店頭

その商店街の一角に、無人の古着店がありました。扉の前にはマネキンが立ち、まるで店員のように客を迎える役をしていたそうです。昼間に訪れると、通り過ぎる人々は微笑ましく眺めるだけでした。しかし、夕暮れ時になると……橙色の光が長く影を伸ばし、マネキンの存在は別のものに変わるのだといいます。ある人は、閉店時間を過ぎてもそのマネキンが店頭に立っていたのを見たそうです。だが、その影は本来の方向には伸ばさず、通りを行く人々の影に寄り添うように重なり、まるで一緒に歩き出しているようだったといいます。すれ違った誰もが振り返らず、ただマネキンの影だけが次々と人々の背後へ移っていったそうです。翌朝、店頭には何事もなくマネキンが戻っていました。ただ、通りの人々の中には「昨日と同じ服を着た人影」を覚えている者がいて……それはマネキンと寸分違わぬ姿だったと噂されています。この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。「びっくり、マネキンが店員 無人古着店、客も『いいね』」朝日新聞▶ 商店街のマネキンを「確かめた...
ウラシリ怪談

点滅する交差点の影

住宅街の街灯が夜通し点滅を繰り返していたそうです。信号も同じように瞬き、赤と青が途切れ途切れに照らしては消えました……。ふと、信号が赤に変わる瞬間、交差点の真ん中に立つ人影が見えたといいます。次に点いた時には、もう歩道に移っていたそうです。足音もなく、車も止まったまま、光の間だけ存在を移していたようです。最後に街灯が長く点いた時、その影は信号機の真下にいたそうです。しかし直後、全ての灯りが一斉に消え、その場は暗闇に沈んだといいます。復旧した後、影はどこにも見当たらなかったとか……そんな話を聞きました。この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。仙台市太白区で一時停電、街灯が点滅繰り返す スイッチ不具合が原因
写真怪談

見返す目、街角の鳩

昼下がりの交差点。信号待ちをしていると、欄干に一羽の鳩が降り立った。灰色の羽根に紫と緑の艶を帯びたその鳥は、やけに人間を見透かすような眼差しで、じっとこちらを見ていた。鳩は、片足をかしげながら首を小さく振る。まるで「見ろ」と言わんばかりに。視線を追うようにして、ふと頭上のカーブミラーを見上げた。そこには、ありふれた横断歩道を渡る人々の姿が映っていた。しかし、よく目を凝らすと違和感があった。歩いている人々の中に、背の低い影のような人影が混じっている。誰も気づかず、その影と肩をすり抜けていくのに、映像の中でだけ影は輪郭を濃くしていた。鳩がカッと目を光らせた瞬間、その影の顔が鏡越しにこちらを向いた。目鼻のない、真っ平らな顔。そして、次の瞬間、現実の横断歩道にはそれがいなかった。だが鳩だけがまだ、こちらを見ていた。まるで「知ってしまったな」と言うように。この怪談は、実際の写真から着想を得て構成されたフィクションです。(c)TRUNK-STUDIO - 画像素材 PIXTA -