酷暑の日、ある家庭は室温を下げるため、濡れたシーツを開けた窓に掛けた。そよ風が通れば室内が幾分か和らぐ、そんなささやかな救いだった。
だが、夜になると、リビングの湿った布から「そよ風」とは異なる音が漏れ始めた。風鈴か氷が溶けるような、金属を引きずるような、曖昧で耳に残る音だった。
翌朝、シーツは乾ききっていたが、縁から黒い条がゆらりと床に延びていた。まるで“何かが窓から這い出した”跡のようである。
夜が来ると再び、風に混じって廊下まで広がる、金属の音と共に、そっと部屋が冷え込む。家族は気づかないふりをするが、シーツの影は、いつの間にか微動だにしない“黒い人影”のように見えるようになっていたという。
この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。
You need to be hanging your wet sheets & towels from windows to beat the heat this weekend
https://www.thesun.co.uk/fabulous/35768676/summer-laundry-hack-cools-you-down
ああ……これはねぇ……怖いな〜怖いな〜……ええ……じっと見てると……だんだん寒くなってくるでしょう?
この写真、ただの窓じゃないんですよ。見たところ、窓には薄い布がかけられてる……でもね、問題はその右側……壁にうっすらと、影が……あるんです……。
でもねぇ、この部屋には……誰もいないはずなんですよ……誰も、いないはずなのに……なんで、こんな“はっきりした人の影”が……そこに、立ってるんでしょうねぇ……?
……しかも……よく見ると、その影……足がないんです……。
でね……これはある民家で撮られた一枚らしいんですけど、その家、以前は小学校の教員をしていた女性がひとりで住んでたんですね。でも、ある日突然……その女性、姿を消したんですよ。
遺体も見つからず……失踪届だけが、警察に残ってるんです。
しばらくしてこの部屋に新しい住人が入ったんですけど……夜になるとね、この窓のところから……カサ……カサ……って、布のこすれる音がするんですって。
で、「風かな?」って思って確認すると……窓は閉まってるんですって……。
おかしいなぁと思ってたら、ある晩、ふと窓のほうを見たら……この“影”が……こっちを見てたらしいんです……じぃっと……。
……この影……生きてる人間じゃないな……