ウラシリ怪談

ウラシリ怪談

灯りのないツリー

熱源のないツリーが燃えた夜…翌朝の庭には十一個だけ飾りが戻っていたそうです…
ウラシリ怪談

押印欄がひとつ多い

決裁が速くなったぶんだけ、押されるはずのない欄が一つ、毎晩増えていたそうです…
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燃えた連絡バスの警告音

燃え尽きたはずの空港連絡バスから…警告音だけが帰ってくるそうです…
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午前十時の受注番号

止まっていたはずの注文が、午前十時ちょうどにだけ息を吹き返したそうです…
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下りたままの踏切

下りた踏切が鳴らしていたのは警報ではなく、町の中へ入る順番だったのかもしれません…
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離陸前の告知

空の記念日に合わせて作られた言葉が、地上で先に搭乗手続きを始めていたようです…
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四時四分の深さ

午前四時四分の小さな揺れが…揺れなかったはずの通路だけを伸ばしていったようです…
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再開するはずの時刻

運転再開の通知が来た朝、駅の掲示だけが“再開しない時刻”を刻み続けたそうです…
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夏と冬のあいだに取り残された檻

記録的な暑さの夏と急に深まった冬のあいだに、ひとつの動物園だけ季節がずれたまま残されていたそうです…
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十五分の外側

十五分で終わるはずのAI面接に、ログに残らない時間があるとしたら…その隙間に何が学習されているのかを覗き込むような怪談です…
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脳の余白に浮かぶ文章

誰にも聞かれないはずの心の声が文字になった時、その余白に“誰のものとも言えない一文”が混じり始めたのだといいます…
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鏡の前の空き枠

雨漏りが直され、大きな鏡と安全なパネルが取り付けられた集会所で、ときどき「一人分だけ多い映り込み」があるそうです……
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予定表の向こう側

予定を軽くするはずのAI秘書が、あなたより先に「あなたの一日」を埋め始めたとき、何が起きると思いますか…
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不在の人物

異常を検知するためのカメラが、“いないはずの誰か”を監視し続けている場所があるそうです…
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年末年始、止まらない機械

年末年始も休まず動き続けるはずのATMにだけ、毎年決まった十分間だけ“空白”が生まれることがあるそうです…
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「壊れたインターネット」からの問い合わせ

世界じゅうで「インターネットが壊れた」と騒がれていたその日、壊れてからしか応答しない窓口がひとつだけ見つかったそうです…
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一覧画面の右下

取材で開いた「流出カメラ」の一覧画面に、自分の実家と、自分たちの編集室、そして見覚えのない視点が同時に映り込んでいたそうです…。
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自動運転が止まるはずのない地点

十二月から自動運転が本格導入される路線で、まだダイヤに載っていないはずの「無名駅」が、車上データベースの奥でゆっくりと営業を始めているそうです…