写真怪談 耳の中の声
その象の絵は、ある日突然この壁に現れた。店の店主も、近所の誰も、描いたところを見ていない。だが、近くを通ると妙なことが起きる。耳元で、自分の名前を呼ばれるのだ。振り返っても誰もいない。しかし、黄色い象の耳の中に視線を向けると、ひび割れたペンキの奥に、細い穴があるのがわかる。一度、その穴に耳を近づけてみた。中から、知らない国の言葉のような囁きが、延々と続いている。それは決して意味を持たない音列のはず...
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ウラシリ怪談
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