消えた人々

ウラシリ怪談

第十六報の折り鶴

復旧の報告書は、安心のための紙だったはずなのに…折られて届くようになったそうです…
晩酌怪談

忘年の席数

駅前の居酒屋、普通の忘年会の写真。顔は写っていないのに、翌朝から「人数」だけが合わなくなる。
写真怪談

余計な一人

オフィスの窓から見える非常階段には、いつも「一人余計な人」がいる──折り返しから降りきるところを、誰も見たことがないまま。
ウラシリ怪談

二十四個目のボタン

11月22日を「ボタンの日」として祝う、ある会社のウェブ記事には、社員が決して口にしない“数え方”が隠れているそうです…
写真怪談

帰り火の外灯

夕暮れ前から点る、庭の皿灯。傘に映った“顔”は、家の中ではなく、外のどこかへ帰ろうとしていた——。
写真怪談

呼び続ける緑の受話器

駅の地下通路に置かれた二台の公衆電話。鮮やかな緑色のその筐体は、今やほとんど誰も振り向かない。しかし、深夜零時を過ぎると、必ず片方の受話器が持ち上がっている。誰も触れていないのに、受話口からかすかな呼吸音が漏れ、耳を近づけると低い声が呟くという。「……こちらに来て」ある駅員が興味本位で耳を当てた。するともう片方の電話が突然鳴り、間髪入れずに応答してしまった。二つの受話器を結ぶようにして、どちらからともなく囁き合う声が響き始める。「替われ」「替われ」「替われ」駅員は恐怖に耐えきれず受話器を戻したが、次の日から姿を見せなくなった。残された記録によれば、監視カメラには彼が最後に立ち寄った電話機の前でじっと立ち尽くし、空の受話器に耳を押し当て続ける姿が映っていたという。以来、その電話に触れた者は、もう一方の受話器から必ず呼ばれる。そして応じた瞬間、現実と通路の隙間に引き込まれてしまうのだ。この怪談は、実際の写真から着想を得て構成されたフィクションです。(c)TRUNK-STUDIO - 画像素材 PIXTA -
ウラシリ怪談

迎えを待つ椅子

認知症カフェの一角に置かれた“模擬バス停”は、いつも同じ角度で椅子が揃っていたそうです。訪れる人が座っても、立ち去った瞬間には必ず元の向きに戻っていたといいます。ある日、閉店後の防犯カメラに、誰もいないはずのバス停で椅子がゆっくりと回転し、停留所の方角を向く様子が映っていたそうです。映像には、人影のようなものが腰掛ける輪郭も映り、帽子を深くかぶっていたといいます。それから、その椅子に座った利用者は、全員「もうすぐ迎えが来る」とだけ言い残して、次の週には来なくなったそうです……この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。『バスの来ないバス停』が認知症の高齢者を守る?
ウラシリ怪談

2:33怪異事件記録

午前二時三十三分──その時刻にだけ現れる“声”と、それに触れた者が残す不可解な痕跡。やがて音は物に宿り、そして映像に滲み出す……これは、三つの記録から成る、ひとつの怪異の連なりです…壱その家に電話が鳴るのは、決まって午前二時三十三分だったそうです。最初は一回だけ、受話器を取っても雑音しか聞こえなかった。だが二度目には、遠くで金属を引きずる音と共に、抑揚のない声が響いたといいます。「この電話は一生動きません」「料金未納のため発信を停止します」声は文言を機械的に繰り返すだけ。だが背後には、ごく微かに足音のような音──しかも室内から響いていたそうです。三度目の着信では、存在しない部署名を延々と羅列し始めました。やがて受話器から滲む湿り気が手に絡み、画面にはこの世にない番号が表示されたといいます。翌朝、その家の住人は忽然と消えていました。床には外れた受話器と、黒く染みる跡だけが残されていたそうです……。弐失踪した部屋を片付けていた業者が、机の奥から一本のカセットテープを見つけたそうです。ラベルには「2:33」とだけ...