ウラシリ怪談 署名のない落とし物 警察署の落とし物保管室には、数え切れないほどの傘や財布、眼鏡が並んでいたそうです。その棚の奥には、記録にないはずの鞄がひとつ、いつの間にか置かれていたといいます。鞄の中には、使用期限のない定期券や、宛名の消えた封筒が入っていたそうです。誰のものとも分からないのに、署員が近づくたび、定期券の顔写真だけがわずかに違って見えたといいます……。やがて、棚の中の“持ち主不明”の落とし物が、少しずつ数を減らし... 2025.09.16 ウラシリ怪談存在のゆらぎ記録と痕跡