消える記録

写真怪談

元旦営業の棚卸し

町外れの住宅街で、元旦から開いているスーパーを見つけた――ただの珍しさのはずが、「一月一日」そのものが棚卸しされていく。
ウラシリ怪談

無音の百八

百八つのはずの鐘を記録した音が、役所の保管で増え続けるそうです…
ウラシリ怪談

面積のしきい値

市区町村を映すはずの盤面に、読めない“しきい値”が混じりはじめたようです…
ウラシリ怪談

押印欄がひとつ多い

決裁が速くなったぶんだけ、押されるはずのない欄が一つ、毎晩増えていたそうです…
ウラシリ怪談

午前十時の受注番号

止まっていたはずの注文が、午前十時ちょうどにだけ息を吹き返したそうです…
ウラシリ怪談

下りたままの踏切

下りた踏切が鳴らしていたのは警報ではなく、町の中へ入る順番だったのかもしれません…
ウラシリ怪談

四時四分の深さ

午前四時四分の小さな揺れが…揺れなかったはずの通路だけを伸ばしていったようです…
ウラシリ怪談

休館日の返却

臨時休館の静けさの中、翌朝のログにだけ“誰かの作業”が増えていたそうです…
写真怪談

ISO 0 ― 光が抜け落ちるカメラ

ISO 0の設定で切られたシャッターは、光ではなく「記憶」を露光する。
晩酌怪談

ボトルの底から聞こえる声

深夜の店内で、瓶たちは静かに並んでいた。 けれど、その夜だけは、光の色が違っていた。
ウラシリ怪談

描かれた横顔

廃棄されたポスターの中に、印刷するたび形を変える横顔があるという…
ウラシリ怪談

署名のない落とし物

警察署の落とし物保管室には、数え切れないほどの傘や財布、眼鏡が並んでいたそうです。その棚の奥には、記録にないはずの鞄がひとつ、いつの間にか置かれていたといいます。鞄の中には、使用期限のない定期券や、宛名の消えた封筒が入っていたそうです。誰のものとも分からないのに、署員が近づくたび、定期券の顔写真だけがわずかに違って見えたといいます……。やがて、棚の中の“持ち主不明”の落とし物が、少しずつ数を減らしていたそうです。誰かが引き取りに来た記録はなく、監視カメラにも映像は残っていなかったといいます。しかしその翌朝、引き取りのサインだけが一枚分ずつ増えていたそうです。署員の誰も、筆跡に覚えがなかったといいます……。その保管室には今も、時折新しい落とし物が増えているそうです。届けられていないはずの品々が……。この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。落とし物最多33万件 茨城県内 経済活動回復 影響か 県警まとめ