夜の商店街で、自販機の前に立つと、硬貨を入れる前から機械が低い唸りを上げていたそうです。
まるで待っていたかのように、赤いランプがひとつだけ瞬いていたといいます。
選んだのは普通の缶コーヒーでした。落ちてきた音は確かにしたのに、取り出し口には何もなかったそうです。
屈んで覗き込むと、底の暗がりから同じ音が繰り返し響き……中には、無数の手が、空の缶を落とし続けていたといいます。
しばらくして音が止み、覗いた者の顔だけが、反射するガラスの奥に残っていたそうです。
それは缶と一緒に持ち帰ることも、置いていくこともできなかったといいます……そんな話を聞きました。
この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。
日本自動販売システム機械工業会「自販機データ」
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