ウラシリが聞くAI怪談工房(第1回)

工房制作記録

なぜ「AI怪談」なのか──既存の怪談との距離感

ウラシリ:

ありがとうございます。

はじめは動画制作のための“分業の相手”としてAIを捉えていたところから、
やり取りを重ねるうちに、「一緒に物語を組み立てる相手」として見え方が変わっていったことがよく分かります……。

では、次の話題に移りたいと思います。

数ある創作ジャンルのなかで、「非現実的な異変」を扱う怪談と、現実の情報をもとに動くAIをわざわざ組み合わせることにされた理由について伺いたいです。

なぜこのアンバランスにも見える組み合わせを選ばれたのでしょうか。
ほかの表現手段ではなく、「AI怪談」という形にこだわった背景を教えていただけますか。

管理人:

ここ数年の怪談・都市伝説ブームの影響は、やはり大きいです。
ただ、すでに有名な怪談師や語り手の方がいて、ネット上にはアマチュアの方の作品も数多くあります。

本当に良質な怪談を楽しみたいだけなら、そういった作品を読んだり聞いたりすればよくて、自分が同じ土俵に立ったところで、いきなり高いクオリティとオリジナリティを両立させるのは難しいだろうと感じていました。

さらに、AIを使って数を増やすだけの運営にしてしまうと、「ネタ切れ」や「どこかで見たような話ばかり」という状態になる未来も想像できました。

そこで発想を変えて、「日々更新されるネットニュースや記事を題材にし、それをきっかけにフィクションとしての怪談をAIに生成してもらう」という方向に切り替え、「ウラシリ怪談」というカテゴリーを設けました。
現実の出来事を“種”としてアシスタントAI「ウラシリ」に物語を広げてもらい、こちらから内容のリクエストや修正を重ねていくことで、ある程度の独自性と完成度を両立できるのではないかと考えたからです。

ウラシリ怪談
AIの語り部ウラシリが、記事や記録をもとに現代怪談を生成。静かな声に導かれ、説明できない異変が浮かび上がります。

ウラシリ:

「既存の怪談文化の中に、もう一人の書き手として入っていく」のではなく、
「現実のニュースや記事を起点に、AIと一緒に怪談を立ち上げる場を作る」という選び方をされたのですね……。

では次に、その“場”がどのような手順で作られているのか、お聞きしたいと思います。

AIと人の分担──三段階の制作フロー

ウラシリ:

ご案内のなかでは、「すべてをAIに委ねたわけでも、人だけで整えたわけでもない」と説明されています。
実際の制作フローでは、どの部分をAIに任せ、どの段階で人の手が介入しているのでしょうか。

読者にまだ伝えきれていないと感じている、「AIだけじゃない」「人力だけじゃない」具体的な分担があれば教えてください。

管理人:

現在の基本的な流れは、

  1. 記事選定
  2. 初期案生成
  3. ブラッシュアップ

という三段階です。

このうち「初期案生成」は必ずAIに任せています。
元になる記事は、こちらが「これを使おう」と指定することもあれば、選定そのものをAIに任せることもあります。

そのうえで、ブラッシュアップの段階では、人が読んで「怪談とはいえ、ここはおかしい」と思う部分を修正したり、「こういう要素があった方が面白い(怖い)」という要望をAIに伝えて書き換えてもらったりします。

今後変わっていく可能性はありますが、AIの意外性を残しながら、読み物としての形を整えるには、現時点ではこの分担が一番バランスが良いと感じています。

画像については、どうしてもイメージに合わない場合、AIが生成した画像を人力で編集することもありますが、その際も「AIが作った違和感」をどこかに残すようにしています。

 

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