ウラシリ怪談

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六分おきの潮

吹雪の夜、避難所の非常口から“潮”が六分おきに入ってきたそうです…
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空白の利用カード

「来館前に申請すれば、一週間で受け取れる」…そう書かれた案内ほど、後から“空白”が怖いものはないのです…
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二千五百一枚目の整理券

二千五百枚で終わるはずの整理券が、終わらなかったそうです…
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塩の隆線

焼けて消えるはずの指紋が、なぜか“紙からだけ”消えていったそうです…
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廃止された黄色

廃止されたはずの黄色い袋が戻りはじめた町で…手引きの一行だけが毎回ちがう指示を告げたそうです…
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凍る告知

配られた注意喚起の紙に まだ来ていない日付が押されていたそうです…
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雪の自動運転バス

雪の実証で走るはずのバスが…乗せてはいけないものまで運んだという記録が残っているようです…
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五番窓口の北

案内どおり進んだ先に“無いはずの窓口”があると言われています…
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戻る消印

ガラスケースに並んだ百八十通の“宛先不明”が、朝になるたび一日ずつ昔の消印へ戻っていくそうです…
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基準水位ここ

全戸配布のハザードマップにだけ 海の上の避難先が刷られていた家があるのだそうです…
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二十二秒の戻り道

二十二秒だけ欠ける運転ログがあり…バスは“戻る”ことを覚えたようです…
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停止期間の並び

停止中の端末にだけ現れる列があるそうです…そこに並ぶのは“証明が欲しい人”ではないのかもしれません…
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第十六報の折り鶴

復旧の報告書は、安心のための紙だったはずなのに…折られて届くようになったそうです…
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昼休止に並ぶ人たち

昼の一時間だけ閉めるはずの窓口に…見えない列だけが並び続けるようになったそうです…
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地面の人数

見ないで測れるはずの地面が…夜になると“見えない人数”を数え始めたそうです…
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遮断機の内側

遮断機が下りた踏切の“内側”にだけ立つ影の噂が残っているそうです…
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錨の先の通話

海の底で切れたのは回線だけではなかったようです...
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無音の百八

百八つのはずの鐘を記録した音が、役所の保管で増え続けるそうです…