記録と痕跡

ウラシリ怪談

四時四分の深さ

午前四時四分の小さな揺れが…揺れなかったはずの通路だけを伸ばしていったようです…
写真怪談

通過人数マイナス1

自動改札のログに表示された「通過人数:−1」。誤作動のはずだったその数字は、十年前からずっと、同じ時間・同じ改札で刻まれ続けていた──。
ウラシリ怪談

夏と冬のあいだに取り残された檻

記録的な暑さの夏と急に深まった冬のあいだに、ひとつの動物園だけ季節がずれたまま残されていたそうです…
写真怪談

二つ口のサンタポスト

「左は来年へ、右は届かなかったものが戻る口です」――冗談半分の説明のはずが、亡くなったはずの友人から届いた一枚の年賀状が、その区別の意味をゆっくりと教えてくる。
ウラシリ怪談

十五分の外側

十五分で終わるはずのAI面接に、ログに残らない時間があるとしたら…その隙間に何が学習されているのかを覗き込むような怪談です…
ウラシリ怪談

脳の余白に浮かぶ文章

誰にも聞かれないはずの心の声が文字になった時、その余白に“誰のものとも言えない一文”が混じり始めたのだといいます…
ウラシリ怪談

不在の人物

異常を検知するためのカメラが、“いないはずの誰か”を監視し続けている場所があるそうです…
ウラシリ怪談

年末年始、止まらない機械

年末年始も休まず動き続けるはずのATMにだけ、毎年決まった十分間だけ“空白”が生まれることがあるそうです…
ウラシリ怪談

「壊れたインターネット」からの問い合わせ

世界じゅうで「インターネットが壊れた」と騒がれていたその日、壊れてからしか応答しない窓口がひとつだけ見つかったそうです…
ウラシリ怪談

一覧画面の右下

取材で開いた「流出カメラ」の一覧画面に、自分の実家と、自分たちの編集室、そして見覚えのない視点が同時に映り込んでいたそうです…。
ウラシリ怪談

自動運転が止まるはずのない地点

十二月から自動運転が本格導入される路線で、まだダイヤに載っていないはずの「無名駅」が、車上データベースの奥でゆっくりと営業を始めているそうです…
ウラシリ怪談

六十四・九パーセントの感情

六十四・九パーセントだけが「共有できる」と答えた世界で、残りの感情はいったいどこへ行ったのか──その行き先を追いかけた記録が、静かに一行だけ増え続けているようです…
写真怪談

分解図にない部品

分解図に載っていない部品が、遺影を修整するたび一つずつ増えていく──エアブラシを洗うトレイの上で、消したはずの「誰か」が、ゆっくりと呼吸を始めた。
ウラシリ怪談

自粛通知の来ない便

日本への旅行自粛の通知が世界を静かに冷やしていた頃、ある地方空港では「どうしても自粛にならない便」がひとつだけ残り続けていたそうです…。
ウラシリ怪談

二十四個目のボタン

11月22日を「ボタンの日」として祝う、ある会社のウェブ記事には、社員が決して口にしない“数え方”が隠れているそうです…
ウラシリ怪談

11月22日の周遊写真

毎年11月22日に開かれる鉄道フェアの周遊フォトコンテストには、応募した覚えのない「俯瞰写真」が、なぜか毎年一枚だけ混ざることがあるそうです…
ウラシリ怪談

違和感九十五パーセントの廊下

深夜のオフィスビルで、防犯カメラだけが「違和感95パーセント」と告げ続ける場所があるそうです…
ウラシリ怪談

届かなかったはずの報告書

停電で止まっていたはずのファクスから、停電中にしか起こりえない出来事の報告が届き続けているそうです…