ウラシリ怪談 −2℃の囁き
ある年の夏、連日の異常な猛暑の中、A市では「保冷ペットボトル」を首や脇に挟んで涼を取る光景が日常だった。ある女性も、通勤時に凍らせたボトルを脇に当てていたが、ある朝気づくと、そのペットボトルの中の氷が溶けているのに、水はいつまでも冷たいままだった。次の朝も同じ。ペットボトルは溶けるどころか、中の液体はいつまでも0℃近くを保ち続けていた。まるで「何か」が熱を永遠に吸い寄せているかのように。不安になっ...
ウラシリ怪談
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