日常の崩れ

日々の営みは、わずかな綻びから静かに崩れはじめます。

平凡な記録や場面の中で起きる異変が、いつの間にか取り返しのつかない歪みを生んでいくのかもしれません……。

写真怪談

打設前の三時刻

雨もないのに濡れ続ける基礎、足場に増えていく黒い布――そして写真の「時刻」が三つに割れていた。打設前の現場で、何が“固められよう”としていたのか。
ウラシリ怪談

停止期間の並び

停止中の端末にだけ現れる列があるそうです…そこに並ぶのは“証明が欲しい人”ではないのかもしれません…
ウラシリ怪談

昼休止に並ぶ人たち

昼の一時間だけ閉めるはずの窓口に…見えない列だけが並び続けるようになったそうです…
写真怪談

水面に届くコード

夕暮れの池のベンチで、音のしないギター練習を見かけた――そう思った瞬間から、水面が「弾かれ」始めた。
写真怪談

三時四十四分の左側通行

改札を出て外へ降りる階段で、時計が「三時四十四分」から動かなくなった。逃げる理由もないまま、ただ“普通に降りよう”としてしまった――。
写真怪談

硬貨専用

人通りのない農園の販売機なのに、商品だけが「いつの間にか」売り切れていく——硬貨専用の扉の向こうで、誰が何を買っているのか。
写真怪談

四時の石材置き場

夕方4時、マンション裏の石材置き場で“ただの隙間”が、奥行きの理屈を捨てた――。
写真怪談

昼の縫い目

昼の工事現場で、忘れたふりをしていた“明け方の恐怖”が静かに蘇る。
晩酌怪談

塩の数字

“いつもの店”の“いつもの卓上”に、戻ってはいけない年が混ざっていた——。
写真怪談

カッ、と光る緑

雪の駅前、信号のリズムの隙間に混じる「カッ」。その瞬間だけ緑が滲み、背中だけが一拍遅れて残る——気づいた人から“現像”されていく。
ウラシリ怪談

遮断機の内側

遮断機が下りた踏切の“内側”にだけ立つ影の噂が残っているそうです…
写真怪談

足跡が呼吸する

国道沿いの歩道に、一直線の“狐の足跡”が残っていた――ただし、跡の底だけが妙に生ぬるく、きらきら光っていた。
写真怪談

雪を滑るもの

雪に埋もれた滑り台に、足跡のない“滑走の線”が一本だけ走っていた夜の話。
写真怪談

ジョーカーの席

散らばったトランプの中心に、なぜか“席”ができていた――実家の食卓で起きた、ババ抜きの後の静かな異変。
写真怪談

手を下ろさぬ

正月二日のアーケードで、笑うたぬきと写真を撮った——それだけのはずだったのに。
写真怪談

赤信号の棚

雪の夜、街の大通りに沿う公園を横切る交差点で見つけた“手のひらサイズの雪だるま”――それが増えるほど、赤信号は長くなっていった。
写真怪談

雪の下の零番改札

稼働中の田舎駅で、誰もいないのに改札が鳴る——雪が深い夜だけ現れる「零番線」は、どこへ繋がっているのか。
写真怪談

元旦営業の棚卸し

町外れの住宅街で、元旦から開いているスーパーを見つけた――ただの珍しさのはずが、「一月一日」そのものが棚卸しされていく。