2025-11

ウラシリ怪談

広いベンチの空席

丘の公園でベンチが広くなった日から、かならず一人分の空席が残るようになったという話がある…
写真怪談

地脈の指音(しおん)

掘っても掘っても何も出ないのに、音だけが続いた。翌朝、音の中心が移った場所に立つと、足の裏が……。
写真怪談

分別できないもの

この町では、赤は怒り、緑は後悔、青は声──感情も分別する決まりだという。間違えると、放送で名指しされる。ある朝、私は“冷めていない”ものを捨ててしまった。
写真怪談

裏口の坊やは、膝をついたまま

表で人を止める坊やは、裏で人を引き戻す──金属ブラシが描く円弧の意味に気づいた夜、私は視線を上げられなくなった。
写真怪談

青天に刺さった機影

渋谷の空に、針の先のような機影が“止まった”。動かすたびに何かが抜け落ちる――あなたの街で起きる、静かな消失の話。
ウラシリ怪談

三番が鳴る駅

いつもの旋律が「三番」に変わった日、ホームでは地図にない行き先が一拍だけ灯っては消えたという…