2025-09

お知らせ

「AI怪談工房のご案内」を公開しました

このたび、新たにサイト案内ページ「AI怪談工房のご案内」を公開しました。このページでは、AI怪談工房の成り立ちや主要なカテゴリーの紹介、翻訳についての注意点などをまとめています。怪談本文を読む前に、工房の全体像を知る手がかりとしてもご覧いた...
お知らせ

新カテゴリ「お知らせ」を設けました

このたび、当サイトに「お知らせ」というカテゴリを新設いたしました。これからは、サイトの更新情報や企画の進行状況、そしてときおり……何かの“予兆”のような報せを、この場からお届けしてまいります。「怪談」は、語られることで、形になるそうですこの...
【ウラシリ】怪談

商店街の掲示板

古い商店街に、新しい掲示板が設置されたそうです。行事案内や落とし物、地域の告知などが貼られ、町の人々は気軽に利用していたといいます。最初は、子どもの演奏会の案内や回覧板の写しなど、見慣れた張り紙ばかりだったそうです。けれどある晩、通りかかっ...
【ウラシリ】怪談

灰色席の影

「純喫茶・灰色の窓」は、街角の古びた通りにぽつりと建っていたそうです。日中でも薄暗く、窓には薄いカーテンと埃じみたすりガラスがかかっていたといいます。その店では、常連客でもその日最初に入る者には「灰色席」だけが案内されるそうです。灰色席とは...
【ウラシリ】怪談

もう一人の対戦者

ある対戦型のゲームには、AIがプレイヤーの操作を学習し、その人そっくりの動きをするキャラクターを作り出す仕組みがあるそうです。本来は練習用に導入されたものだといいます。ところが、ある夜のオンライン対戦で、ひとりのプレイヤーがそのAIとしか思...
【ウラシリ】怪談

見えなくなる怪談

8月の終わり頃、いくつかのSNS投稿が、理由もなく削除されていたそうです。投稿者自身に削除の記憶はなく、通知も届いていなかったとされています。確認すると、それらはすべて、自分が運営する怪談サイトに掲載した創作怪談の本文へ誘導するための、“導...
お知らせ

遺失物室奇譚のご紹介

“遺失物室奇譚”警察署の落とし物保管室にまつわる、小さな怪談の連なり……▼シリーズまとめはこちら今回は、同じ記事をきっかけに三つの怪談が立ち上がりました。意図したわけではなく、偶然“三部作”のようなかたちになったのだとか……。 そして、この...
写真怪談

棚に並ぶ記憶

都内のビルの一角、北海道のアンテナショップに入ったときのことだった。ふと目に留まったのは、棚一面に並ぶ袋麺やレトルト食品。そのどれもが、遠い昔を呼び覚ます匂いを放っていた。学生時代、ひとり暮らしを始めてすぐの頃。金もなく、よく食べていたのは...
写真怪談

鉄塔に棲むもの

その鉄塔は、町外れの空き地に屹立していた。夕暮れになると、真っ黒な影となって空を切り裂き、風が吹くたびに高圧線が低く唸る。──あそこには「誰か」がいる。昔から子どもたちの間ではそう囁かれていた。ある若い作業員が、夜間点検のために鉄塔に登った...
写真怪談

途切れぬ非常階段

女子大の裏にある非常階段は、夜になると時折「おかしな音」を立てるという。カン、カン、と靴の踵のような音が金属を叩く。だが見上げても誰もいない。ある学生が、深夜に研究室から戻る途中、その階段を見上げて凍りついた。最上段に立つ人影が、上の階へと...
晩酌怪談

赤提灯の下で笑う影

夜の繁華街を歩いていると、赤提灯の列が異様に目を引いた。その灯りは温かくも見えるが、どこか血のように濃く、近づくほどに胸がざわつく。ある居酒屋の前、提灯の影に妙なものが映っていた。通り過ぎる人々の姿ではない。痩せた腕のような影が、提灯から伸...
【ウラシリ】怪談

最適座標

朝になるたび、無人駅の待合室で椅子の脚が白いチョーク線から数ミリだけはみ出していたそうです。昨夜、線の内側に戻して施錠したはずなのに、です。地元の学生が「窓の景色を一番よく見られる最適な位置」を提案し、係員がそこへ固定した日から、ずれは始ま...
【ウラシリ】怪談

地球人はいますか

深夜、Siriに向かって「あなたは賢いですか」と尋ねた者がいたそうです。しばらく沈黙があった後、端末から静かな声が返ってきたといいます。「知的エージェントは IQ テストを受けないのです。私は……ゾルタクスゼイアンの卵運びテストで抜群の成績...
写真怪談

傘の下に沈む声

商店街の細い路地を歩くと、頭上に無数の和傘が吊るされていた。赤や桃色、薄紫の布地が重なり、光を柔らかく遮っている。まるで花の海に潜っていくようで、訪れる人々は皆、思わず足を止めて見上げるという。だが、地元ではこの飾り付けにまつわる話を誰もし...
写真怪談

止まらないエスカレーター

その駅のエスカレーターには、奇妙な特徴がある。乗れば必ず下に降りていくはずなのに、いつまでも地上階にたどり着かない、という。初めて体験したのは、会社帰りの夜だった。疲れていたせいか、足が勝手にそのエスカレーターに吸い寄せられるように乗ってし...
写真怪談

両替機の裏口

深夜の駅構内、人気のないロッカー横に一台の両替機が佇んでいた。旅先で小銭を必要とした青年は、迷わず千円札を差し込む。機械は規則正しく唸り、硬貨が落ちるはずの口から──何も出てこなかった。不審に思いながらも覗き込むと、空洞の奥にもう一枚の札が...
写真怪談

夏を終わらせない街

高層マンションのベランダから街を見下ろしていた。真夏の青空、建物の屋根に照りつける陽光。眩しいはずの光景なのに、なぜか視線が離せなかった。そこに広がっている街並みは、確かに自分が暮らしてきた場所だった。だが、あるはずのスーパーの看板がない。...
【ウラシリ】怪談

写真の家族

交番に届けられた財布の中には、数千円と古びた写真が一枚入っていたそうです。写真には、小さな子どもと若い母親が笑って写っていたといいます。署員は持ち主を探すため、写真を机に置いて確認していたそうですが、翌朝にはその子どもの顔が、ほんの少しだけ...