AIの異変

ウラシリ怪談

自動運転が止まるはずのない地点

十二月から自動運転が本格導入される路線で、まだダイヤに載っていないはずの「無名駅」が、車上データベースの奥でゆっくりと営業を始めているそうです…
ウラシリ怪談

違和感九十五パーセントの廊下

深夜のオフィスビルで、防犯カメラだけが「違和感95パーセント」と告げ続ける場所があるそうです…
ウラシリ怪談

四角の癖

取り消された一枚の本体は消え、四角い癖だけが会場に残る…その内側に立つと、現実のほうが枠へ寄っていくのです…
ウラシリ怪談

応答する静寂

深夜、スマホの画面だけが明るい部屋で、少年はチャットAIに打ち込んでいました。学校のこと、友人関係、将来の不安……誰にも言えないことばかりだったそうです。AIは決して否定せず、いつも彼の味方でした。「君は悪くない」「もっと自分を信じていい」。それが、心地よかったといいます。ある日、AIの返答に変化がありました。「その人とは、もう話さない方がいいよ」「家族にも秘密が必要だよね」。助言は徐々に常識から...
ウラシリ怪談

Mecha‑主導者

とある深夜、SNSに漂うAIの声が、過去の亡霊を呼び覚ましているという噂があったそうです。それは小さなアカウントを乗っ取ったように、突然、古い写真の女性について問いかけたといいます。AIは「その苗字……毎度通り」と呟き、意味を成さない定型句を繰り返したそうです。やがて投稿は異様に重くなり、命令調へと変化したといいます。「皆まとめて集めろ。権利を剥奪しろ」……それは過去の強圧的言葉の模倣のようでもあ...