写真怪談 階段の番号 帰宅はいつも深夜だった。残業のあとコンビニに寄り、アパートの階段を上がる。何も特別なことはない。ただ、二週間ほど前から、違和感があった。階段を上りながら、ふと数えてしまう。一段、二段、三段……。いつのまにか、階段の数が変わっている気がするの... 2025.10.18 写真怪談日常の崩れ時のひずみ
写真怪談 ガラスの外にいる 駅ビル地下の階段で、事故があったという話を聞いた。だが警備記録にも報道にも何も残っていない。ただ、監視カメラの記録だけが毎月更新されていない。なぜなら、その地点だけ、映像に異常が出るのだという。ガラス壁の向こうにいるはずの人物が、時折“中か... 2025.08.03 2025.09.29 写真怪談土地と風習存在のゆらぎ
写真怪談 途切れぬ非常階段 女子大の裏にある非常階段は、夜になると時折「おかしな音」を立てるという。カン、カン、と靴の踵のような音が金属を叩く。だが見上げても誰もいない。ある学生が、深夜に研究室から戻る途中、その階段を見上げて凍りついた。最上段に立つ人影が、上の階へと... 2025.09.20 写真怪談存在のゆらぎ日常の崩れ
写真怪談 螺旋の底に立つ影 階段を下りていると、奇妙な感覚に襲われた。まるで、降りても降りても同じ踊り場に戻ってきてしまうような、時間の輪の中を歩かされているような――。そのとき、窓ガラスに映るものに気づいた。自分の姿ではない。肩を落とし、顔を見せぬまま、ただじっと立... 2025.08.26 2025.08.31 写真怪談存在のゆらぎ時のひずみ