見えない存在

写真怪談

三角の番人

積み上がる三角コーンは、数が揃ったときだけ「通行止め」以外の意味を持つ。夕暮れの詰所の窓で、反射帯が一本、息をしていた。
ウラシリ怪談

広いベンチの空席

丘の公園でベンチが広くなった日から、かならず一人分の空席が残るようになったという話がある…
YouTube

【第参夜】押し入れの向こう

AI怪談工房の原型となったYouTubeのショート動画を、テスト掲載しています。🎙 VOICEVOX(青山龍星)📘 ChatGPT(GPT-4)🎵 Mubert(AI生成BGM)📽 Sora(AI映像生成)🖼 DALL·E 3(実写風画像)🔊 SE: 効果音ラボ / freesound※この物語はフィクションです。AIと人間が共に紡いだ現代怪談の世界をお楽しみください。
晩酌怪談

座るはずのない客 ― カウンターの常連

唐揚げをつまみ、ビールを飲み、何気なく撮った一枚。仕事帰りのありふれた光景のはずだった。だが写真を見返すと、卓上に奇妙な「濡れた手の跡」が浮かんでいた。油染みでも水滴でもない。人間の掌の形をした痕が、唐揚げの皿にかぶさるように残っている。気味が悪くなり、店主に尋ねた。「この席、何かあったんですか?」店主は一瞬口ごもり、灰皿を拭きながら言った。「……知ってる人は知ってるんですがね。ここ、ひとりで飲ん...
晩酌怪談

冷めない膳

深夜、男は机に向かい、買ってきた惣菜を肴に缶チューハイを開けた。豚肉とモヤシの炒め物は、もう湯気を失っているはずなのに、何度見ても白く立ち上る靄が見える。まるで熱を持ったまま、冷めることを拒んでいるようだった。串に刺さった胡瓜をかじり、ふと横を見る。キーボードの影に、誰かの手の甲がのぞいていた。自分のものではない。白く乾いた皮膚が、膳の端に寄り添うように置かれている。驚いて視線を戻すと、その手はも...
ウラシリ怪談

打ち水の足元

ある住宅街で、毎年同じ光景があったそうです。八月の夕刻、決まって一軒の庭先にだけ、打ち水が施されていたといいます。ただし、その家は十年前から空き家でした。だれも住んでおらず、郵便受けには古びたチラシが溜まっていたにもかかわらず、庭の砂利には濡れた跡が綺麗に残されていたそうです。近所の住民がその夕刻を撮影した動画には、水をまく姿は映っていません。けれど、打ち水の音と共に、カメラのフレームにだけ「誰か...