祈りの痕跡

写真怪談

赤い前掛けの結び目

冬の午後四時、どんど焼きの煙が“帰り道”をつくった――赤い前掛けの結び目だけが、去年と違っていた。
ウラシリ怪談

無音の百八

百八つのはずの鐘を記録した音が、役所の保管で増え続けるそうです…
写真怪談

茅の輪の向こうへ

大晦日の昼、初詣の準備が進む神社で茅の輪をくぐった――それだけのはずだったのに、輪の内側だけが妙に“あたたかい”。
写真怪談

迎春の席に座るもの

サイドテーブルの上に敷いた一枚のランチョンマットは、「並んで座る人たち」という意味の模様だと店主は言った──正月飾りを載せた年の暮れ、その言葉の本当の意味を、僕は知ることになる。
写真怪談

大開運の木肌

街路樹の名札に紛れて、ひとつだけ黄色い「大開運」のお守りが括りつけられた木がある——その木肌に刻まれていくものを、僕はなるべく見ないようにしている。
ウラシリ怪談

波打ち際の鐘

島の古い鐘楼は、八十年前の爆風で砕け、そのまま放置されていたそうです。だが先月末、夜の海辺にいた漁師が、その鐘の音を聞いたといいます。音は次第に近づき、波打ち際でぴたりと止まったそうです。翌朝、浜には見慣れぬ石片が散らばっており、その一つには、鐘楼に刻まれていたはずの祈りの言葉が刻まれていたそうです。しかし、その文字は刻まれた部分だけが新しく、濡れていなかったといいます……そんな話を聞きました。この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。80年ぶりに 双塔の「鐘」復活 寄贈したのは アメリカの信徒 長崎市 浦上天主堂