深夜の街角

写真怪談

空いている車線を走ってはいけない

センターラインを挟んで二車線と三車線に分かれた夜の幹線道路——なぜか市内行きの「歩道寄りの車線」だけ、どれだけ混んでいても一本分まるごと誰も並ばない。その理由を先輩に教えてもらう前に、俺は信号待ちの列の中で、その車線を歩いてくる“何か”を見てしまった。
写真怪談

青い街灯の足跡

残業帰りの冬の夜、あの青白い街灯の下を通るときだけ、どうしてか足もとを見るのが妙に怖い。
写真怪談

通過するだけのタクシー

誰もいないはずの深夜の交差点を、毎晩決まって猛スピードで通過する黒いタクシー──ピンぼけ写真の窓に張りついた“その指”が、自分の手と同じ形をしていると気づいた瞬間から、逃げ場はなくなりました。
ウラシリ怪談

自販機の暗がり

夜の商店街で、自販機の前に立つと、硬貨を入れる前から機械が低い唸りを上げていたそうです。まるで待っていたかのように、赤いランプがひとつだけ瞬いていたといいます。選んだのは普通の缶コーヒーでした。落ちてきた音は確かにしたのに、取り出し口には何もなかったそうです。屈んで覗き込むと、底の暗がりから同じ音が繰り返し響き……中には、無数の手が、空の缶を落とし続けていたといいます。しばらくして音が止み、覗いた者の顔だけが、反射するガラスの奥に残っていたそうです。それは缶と一緒に持ち帰ることも、置いていくこともできなかったといいます……そんな話を聞きました。この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。日本自動販売システム機械工業会「自販機データ」