廃棄物

写真怪談

緑道に積まれた“屋根”

住宅地のはずの緑道だけが、妙に“屋内”の匂いをしていた――柵の向こうの水面に映るはずのない屋根を見た夜から、天井が少しずつ低くなる。
写真怪談

赤い目印の先に、落とし物は戻らない

川面に浮かぶ落ち葉の島——赤い目印の先で拾ってしまった“落とし物”は、あなたの名前まで流していく。
写真怪談

片付けてはいけない置き場

散らかり放題の資材置き場を片付け始めた新人は、何度片付けても元通りになる「裏の山」と、そこに眠るはずのない“形”と向き合うことになる──。
写真怪談

分別できないもの

この町では、赤は怒り、緑は後悔、青は声──感情も分別する決まりだという。間違えると、放送で名指しされる。ある朝、私は“冷めていない”ものを捨ててしまった。
写真怪談

路地裏の声

夜の仕込みを終えた帰り道、店の裏口から路地に出ると、青いゴミ桶が三つ並んでいた。昼間は何の変哲もないはずのそれが、今夜は妙に膨らんでいる。袋越しに透ける中身は、新聞紙や生ごみの他に、布切れのようなものが見えた。足を止めた瞬間、奥のゴミ桶が、かすかに動いた。――ゴトリ。金属の軋む音と共に、蓋の隙間から何かがこちらを覗いた。白目がほとんどなく、瞳孔ばかりの濡れた黒い眼球。次の瞬間、蓋が跳ね上がり、中から黒く濡れた手が、まるでこちらを捕まえようとするかのように伸びてきた。慌てて後ずさると、その手はゴミ袋を掴み、ずるずると何かを引きずり戻した。袋の中の布切れだと思っていたものが、人の顔の皮だったと気づくまで、時間はかからなかった。耳の奥で、かすれた声が囁く。「……次は、お前」この怪談は、実際の写真から着想を得て構成されたフィクションです。(c)TRUNK-STUDIO - 画像素材 PIXTA -