変わる写真

晩酌怪談

塩の数字

“いつもの店”の“いつもの卓上”に、戻ってはいけない年が混ざっていた——。
写真怪談

硝子の行列

駅前の雪像を撮った写真が、いつの間にか幼い日のアルバムに混ざっている。ガラスの向こうで“列”がつながり始めた。
写真怪談

白鳥ボートの「空席」

整然と並ぶ貸しボートの中で、いつも“空席”になる一隻だけが、なぜか濡れている——その湖は、水面の裏側に座るべき客を用意していた。
写真怪談

渡りきれない横断歩道

いつものバスから眺める横断歩道には、なぜか毎日同じ二人の子どもが渡りかけたまま写り込む──スマホの中の一枚の写真だけが、その「渡りきれない時間」を少しずつこちら側へずらしてくる。
ウラシリ怪談

11月22日の周遊写真

毎年11月22日に開かれる鉄道フェアの周遊フォトコンテストには、応募した覚えのない「俯瞰写真」が、なぜか毎年一枚だけ混ざることがあるそうです…
ウラシリ怪談

四角の癖

取り消された一枚の本体は消え、四角い癖だけが会場に残る…その内側に立つと、現実のほうが枠へ寄っていくのです…
写真怪談

灯の巣

葉がいっせいに同じ方向を向いた夜がある。瞬間、街灯の白は一度だけ弱くなった——写真を拡大しなければよかったと気づくのは、いつも少し遅い。
写真怪談

白い花の辻

早朝に白い彼岸花を撮影した。ところが写真を確認すると、そこには写るはずのないものが映っていて…
ウラシリ怪談

写真の家族

交番に届けられた財布の中には、数千円と古びた写真が一枚入っていたそうです。写真には、小さな子どもと若い母親が笑って写っていたといいます。署員は持ち主を探すため、写真を机に置いて確認していたそうですが、翌朝にはその子どもの顔が、ほんの少しだけ成長して見えたといいます……。数日後には、母親の髪も白く混じり、肩に手を置く人物が増えていたといいます。誰も触れていないのに、写真の家族だけが時間を進めていたそうです。財布の持ち主は、結局現れなかったといいます。けれどある夜、交番の前に花束が置かれていたそうです。その中に、新しい写真が一枚差し込まれており、そこには笑顔のままの家族が並び、机に座る署員の姿が後ろに写り込んでいたといいます……。それ以来、その交番では、不思議と落とし物の持ち主が見つかることが増えたそうです。この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。落とし物最多33万件 茨城県内 経済活動回復 影響か 県警まとめ