再現型の怪異

写真怪談

手を下ろさぬ

正月二日のアーケードで、笑うたぬきと写真を撮った——それだけのはずだったのに。
ウラシリ怪談

十二枚の無難

無難な十二枚に戻るだけの仕組みが、こちら側を“無難”に整え始めたらしいのです…
写真怪談

パイロンの列に

朝の通勤路に、いつからかカラフルなパイロンが並んでいた。工事の予定などなかったし、誰も設置しているところを見ていない。最初はオレンジばかりだったが、ある日から並びが変わった。黄色、緑、青、赤…きれいな配色だと思った瞬間、違和感に気づいた。配列が完全に「俺の通勤服の色の順」になっている。昨日ネクタイが青だった日は、青が中央にあった。今日はグレーのジャケットを着たら、最後尾のパイロンもグレーだった。その日から、誰にも話せなくなった。駅に向かうと、パイロンが1本、俺の行く先を向いて傾いている。音もなく、フェンスの内側からこちらを向いて。一度だけ、近づいてみた。パイロンの中、筒の奥に、黒い“目”が光っていた。この怪談は、実際の写真から着想を得て構成されたフィクションです。
ウラシリ怪談

続きのある筐体

閉店前のゲームセンターで、ある試遊筐体が設置されたそうです。格闘ゲームの開発中バージョンで、使用できるのは長身の蹴り主体キャラクターひとりだけだったといいます。奇妙だったのは、その対戦相手のCPUの動きです。まるで過去の誰かのプレイをなぞるように、奇妙に癖のあるジャンプ、投げ、連打を繰り返していた……。ある常連客はそれを見て、「これ、自分が昔、家庭用で延々練習していた動きと同じだ」と呟いたそうです。試しに、昔よくやっていた空振りからの必殺技を入力すると、CPUは完全に反応を止め、静止したままになったといいます。その瞬間、画面上部に「続き、やろうか」とだけ浮かび、操作不能になったそうです。その後、筐体は数日で撤去されましたが、内部に記録装置もネット接続もなかったと報告されています。なのに、筐体を使った数人が、それぞれ別の場所・時期で育てた“過去の自分のCPUの癖”を見たと話しているそうです。……あの試遊筐体は、何を再生していたのでしょうか。この怪談は、以下のニュース記事をきっかけに生成されたフィクションです。...