写真怪談 棚に並ぶ記憶
都内のビルの一角、北海道のアンテナショップに入ったときのことだった。ふと目に留まったのは、棚一面に並ぶ袋麺やレトルト食品。そのどれもが、遠い昔を呼び覚ます匂いを放っていた。学生時代、ひとり暮らしを始めてすぐの頃。金もなく、よく食べていたのは、湯切りのお湯をスープにする独特なスタイルの“あのカップ焼きそば”だった。深夜の台所で湯を沸かす音と、アパートの古い壁を伝うような人の気配。そのとき隣室に住んで...
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ウラシリ怪談