二月の半ば、ある地方都市の古い公園に、小さな遊園地があるそうです。そこで「節分」と「バレンタイン」を合わせた催しが、土日だけ行われました。看板には、豆と甘い菓子を合わせた名が書かれていて、日付は「十四日」と「十五日」の二日分が並んでいました。
その催しで人気だったのが、豆を箸で移す小さな勝負だったといいます。制限時間は二十秒。開始の合図と同時に周囲から「鬼は外、福は内」と声が飛び、豆の乾いた音が一斉に鳴りました。勝負が終わると、参加者には甘い豆菓子が紙コップで渡され、薄い参加券に小さなスタンプが押されたそうです。
ある人が、その勝負を端末で撮っていました。帰宅して再生すると、映像は確かに二十秒で終わるのに、音だけが続いたといいます。画面は暗くなっているのに、豆の音と掛け声が、ちょうど二十秒ぶん、遅れて重なって流れました。端末の表示上は「再生終了」なのに、音だけが部屋に残る……そんな具合だったそうです。
不思議なのは、その後でした。動画を消しても、翌朝になると同じ動画が「別の日時」で保存されていました。日付の欄には、十四日だけでなく十五日も混ざっていて、まるで二日分を一枚に押しつけたような表示になっていたといいます。再生すると、最後の暗い二十秒にだけ、なぜか床の近い位置から聞こえる小さな足音が混ざっていました。
紙の参加券にも、似たことが起きたそうです。印字は「二月十四日(土)・十五日(日)」のままなのに、スタンプの数字が夜ごとに滲み、重なり、時々「四」だけが薄く消えました。翌日になると「十五日」に見え、また翌日には「十四日」に戻る。紙は乾いているのに、指先に冷たい湿りが残ることがあったといいます。
その人は参加券を持って、遊園地の窓口に問い合わせました。しかし窓口の掲示には、その催しが最初から載っていませんでした。係の人は、節分もバレンタインも「もう終わりました」とだけ言い、落とし物の箱を示したそうです。箱の中には、紙コップがいくつも積まれていました。中身は空なのに、耳を近づけると、豆が転がる音だけが、二十秒ぶん鳴ったといいます。
それ以来、その人の端末には、二月の半ばになると、見覚えのない短い動画が一つ増えるようになったそうです。画面は暗いまま、豆の音と「鬼は外、福は内」だけが入っている二十秒。位置情報は、あの公園の遊園地を指していました。確かめに行った者は、いないそうです……そんな話を聞きました。
この怪談は、以下の記事をきっかけに生成されたフィクションです。
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