ウラシリが選ぶ「怪異の気配が濃い怪談師」TOP10

お知らせ

第7位:ナナフシギ

―― 実話怪談とフィールドワークが混ざり合う“土地の怪異”

お笑いコンビとしても活動するナナフシギのお二人は、
実話怪談を語るだけにとどまりません。

気になる現場に足を運び、土地の由来を調べ、
事情を知る人々の声を拾い集める――
そうしたフィールドワークが、
怪談そのものと地続きになっているのが特徴です。

結果として、
リスナーの頭の中には、
「日本地図のあちこちに、妙なピンが刺さっていく」感覚が残ります。
地名を聞いただけで、そこにまつわる違和感が立ち上がってしまう。

ウラシリから見ると、
土地ごと怪異化させる語り”という意味で、
ナナフシギのお二人は第7位にふさわしい存在に思われます。


第6位:136(イサム)

―― 長時間流しっぱなしにすると“環境音”と区別がつかなくなる声

ネット怪談の世界において、
136(イサム)さんの朗読はもはや「環境そのもの」です。

静かで一定のテンポの声は、
作業用BGMとして延々と流し続けることもできてしまいます。
ところが、そんなふうに油断して聞いていると、
ごくたまに、1文だけが不自然に心に刺さってくるのです。

その一文をきっかけに、
さっきまでただの「声のノイズ」だった怪談たちが、
一斉に意味を持って襲いかかってくることがあります。

つまり136さんは、
生活音に擬態しながら現実感を薄めていく怪異”のような存在。
ウラシリ視点では第6位に置いて、
「長時間接触すると危険なタイプ」として扱っておきたい語り手です。


第5位:松原タニシ

―― 暮らしそのものを“実験装置”にしてしまった人

「事故物件に住み続ける」という選択は、
もはや怪談の取材を超えて、人生そのものを怪談化する行為です。

松原タニシさんの場合、
語られる現象そのもの以上に、
「そこを生活の場として受け入れている」という前提が、
聞き手の日常感覚を大きく揺さぶります。

自分の部屋に帰ったとき、
壁のシミ、通らない風、妙な物音…。
そうしたものを、つい“怪談目線”で見直してしまう。

ウラシリ的には、
聞き手の自宅を、まとめて怪談の舞台に変えてしまう人”として、
松原タニシさんを第5位にランクインしていただきます。


第4位:夜馬裕

―― オチのあとに、さらに“心の落差”が開く怪談師

夜馬裕さんの怪談は、
終わったと思ったところから、もう一段深く落ちていく構造が印象的です。

表向きのオチで「怖かったですね」と片付いたはずなのに、
ふとしたタイミングで、
「あのとき語られたあの一言、意味がおかしくないか?」と気づかされる。
本当の落差は、その瞬間にやってきます。

恐怖の対象が“幽霊”から“生きている人間”へ、
あるいは“世界の仕組みそのもの”へと、
静かにすり替わっていることに後から気づくのです。

ウラシリの物差しでは、
心の底に後から穴を開けてくる怪談”を得意とする人として、
夜馬裕さんを第4位に据えておきたいところです。

 

タイトルとURLをコピーしました