ウラシリ怪談 帳簿に載らぬ封筒
都内の落とし物保管所では、毎日のように財布や傘が積み上げられるそうです。その中に、帳簿に記録されない“封筒”が紛れ込むことがあるといいます。ある夜、当番の職員が机に置かれた封筒を開けると、中には千円札ばかりが詰まっていました。だがどれも片側が焼け焦げていて、指で触れると灰のように崩れたそうです。慌てて封を閉じ、引き出しにしまったものの、翌朝には封筒ごと跡形もなく消え、代わりに机の上に黒い手形が点々と残されていたといいます。別の日、別の職員がその部屋に入ると、棚の上に無数の封筒が積まれていました。だが瞬きをした途端、それらは一斉に崩れ落ち、中から硬貨が床に散らばったそうです。響く金属音は確かに耳に残ったのに、拾おうとした瞬間、すべてが消えて床は静まり返っていたといいます。監視カメラを確認すると、封筒や硬貨は映っておらず、ただ職員が怯えながら空中を見つめる姿だけが残っていたそうです……。その保管所では今も、不自然な金額の誤差が増え続けていると囁かれています。封筒は誰の目にも映らずとも、確かに数を増やしているのか...