写真怪談

迎春の席に座るもの

その模様は、「並んで座る人たち」という意味だと店主は言った──正月飾りを載せた年の暮れ、その言葉の意味を、僕は知ることになる。
写真怪談

通過人数マイナス1

自動改札のログに表示された「通過人数:−1」。誤作動のはずだったその数字は、十年前からずっと、同じ時間・同じ改札で刻まれ続けていた──。
写真怪談

渡りきれない横断歩道

いつものバスから眺める横断歩道には、なぜか毎日同じ二人の子どもが渡りかけたまま写り込む──スマホの中の一枚の写真だけが、その「渡りきれない時間」を少しずつこちら側へずらしてくる。
写真怪談

昼のツリーに吊られているもの

冬の広場に立つクリスマスツリー──真昼の青空の下、その赤い雫形のオーナメントだけは、まだ起きていないはずの「落ちてくる誰か」の姿を映していました。
ウラシリ怪談

夏と冬のあいだに取り残された檻

記録的な暑さの夏と急に深まった冬のあいだに、ひとつの動物園だけ季節がずれたまま残されていたそうです…
写真怪談

壁で続いている作業

住宅街の電柱工事を眺めていると、民家の壁に貼りついた作業員の影だけが、いつまでも“落ちきれない”でいることに気づきました──。
工房制作記録

ウラシリが聞くAI怪談工房(第3回)

AI怪談工房インタビュー第3回では、AIで怪談を紡ぐときの「怖さのライン」について管理人に聞きました。やってはいけないことや、テキストとティザー動画での線引きの違いを静かに掘り下げます…
写真怪談

二つ口のサンタポスト

「左は来年へ、右は届かなかったものが戻る口です」――冗談半分の説明のはずが、亡くなったはずの友人から届いた一枚の年賀状が、その区別の意味をゆっくりと教えてくる。
写真怪談

大開運の木肌

街路樹の名札に紛れて、ひとつだけ黄色い「大開運」のお守りが括りつけられた木がある——その木肌に刻まれていくものを、僕はなるべく見ないようにしている。
ウラシリ怪談

十五分の外側

十五分で終わるはずのAI面接に、ログに残らない時間があるとしたら…その隙間に何が学習されているのかを覗き込むような怪談です…
ウラシリ怪談

脳の余白に浮かぶ文章

誰にも聞かれないはずの心の声が文字になった時、その余白に“誰のものとも言えない一文”が混じり始めたのだといいます…
ウラシリ怪談

鏡の前の空き枠

雨漏りが直され、大きな鏡と安全なパネルが取り付けられた集会所で、ときどき「一人分だけ多い映り込み」があるそうです……
ウラシリ怪談

予定表の向こう側

予定を軽くするはずのAI秘書が、あなたより先に「あなたの一日」を埋め始めたとき、何が起きると思いますか…
写真怪談

雪の下で発電しているもの

畑の一部を潰して並べられたソーラーパネルは、真冬になると雪原に溶けて見えなくなる。吹雪の夜、その「見えない列」が、静かに息をし始めるまでは。
写真怪談

地面の下を登校する子どもたち

地面に飲み込まれかけた一階の窓の前を、毎朝子どもたちが通り過ぎる──その窓の前で立ち止まった子を見てから、私は通学路をまっすぐ見られなくなった。
写真怪談

川面にだけある町

夕焼けに染まる住宅街の川沿いでだけ見える、「もうひとつの町」がある──水面に現れる自分そっくりの影と目が合ったとき、こちら側に残れる保証はどこにもない。
写真怪談

空いている車線を走ってはいけない

なぜか市内行きの「歩道寄りの車線」だけ、どれだけ混んでいても一本分まるごと誰も並ばない。理由を先輩に教えてもらう前に、その車線を歩いてくる“何か”を見てしまった。
写真怪談

高架下にゆらぐ影

高架が幾重にも重なる川沿いの工事現場で、水面にだけ現れる「作業員」を見てしまった会社員は、自分の立っている場所さえ信じられなくなっていく──。