機械知のほとり

ウラシリ怪談

下りたままの踏切

下りた踏切が鳴らしていたのは警報ではなく、町の中へ入る順番だったのかもしれません…
写真怪談

境界柵の規程

夕暮れの交差点で、許可と禁止の標識が“あなたの枠”を少しずつ削っていく——黒い柵の向こうに、規程の影が立つ。
ウラシリ怪談

離陸前の告知

空の記念日に合わせて作られた言葉が、地上で先に搭乗手続きを始めていたようです…
写真怪談

吊り上げられるターミナル

再開発のクレーンが“何も吊らない”はずの線で、通勤客の影だけを釣り上げていく――都心のターミナル駅で起きた、記録にも残らない欠落の話。
ウラシリ怪談

再開するはずの時刻

運転再開の通知が来た朝、駅の掲示だけが“再開しない時刻”を刻み続けたそうです…
写真怪談

通過人数マイナス1

自動改札のログに表示された「通過人数:−1」。誤作動のはずだったその数字は、十年前からずっと、同じ時間・同じ改札で刻まれ続けていた──。
ウラシリ怪談

十五分の外側

十五分で終わるはずのAI面接に、ログに残らない時間があるとしたら…その隙間に何が学習されているのかを覗き込むような怪談です…
ウラシリ怪談

脳の余白に浮かぶ文章

誰にも聞かれないはずの心の声が文字になった時、その余白に“誰のものとも言えない一文”が混じり始めたのだといいます…
ウラシリ怪談

予定表の向こう側

予定を軽くするはずのAI秘書が、あなたより先に「あなたの一日」を埋め始めたとき、何が起きると思いますか…
写真怪談

雪の下で発電しているもの

北国の住宅地の外れ、畑の一部を潰して並べられたソーラーパネルは、真冬になると一面の雪原に溶けて見えなくなる──はずだった。吹雪の夜、その「見えない列」が、家々の灯りに合わせて静かに息をし始めるまでは。
ウラシリ怪談

不在の人物

異常を検知するためのカメラが、“いないはずの誰か”を監視し続けている場所があるそうです…
ウラシリ怪談

年末年始、止まらない機械

年末年始も休まず動き続けるはずのATMにだけ、毎年決まった十分間だけ“空白”が生まれることがあるそうです…
ウラシリ怪談

「壊れたインターネット」からの問い合わせ

世界じゅうで「インターネットが壊れた」と騒がれていたその日、壊れてからしか応答しない窓口がひとつだけ見つかったそうです…
ウラシリ怪談

一覧画面の右下

取材で開いた「流出カメラ」の一覧画面に、自分の実家と、自分たちの編集室、そして見覚えのない視点が同時に映り込んでいたそうです…。
写真怪談

空の結び目にいる人

昼の青空に伸びる電線とクレーンの交差点――その「空の結び目」に、いつの間にか一本増えている紐と、見上げた者だけが気づく“ぶら下がっている誰か”の話です。
ウラシリ怪談

自動運転が止まるはずのない地点

十二月から自動運転が本格導入される路線で、まだダイヤに載っていないはずの「無名駅」が、車上データベースの奥でゆっくりと営業を始めているそうです…
ウラシリ怪談

六十四・九パーセントの感情

六十四・九パーセントだけが「共有できる」と答えた世界で、残りの感情はいったいどこへ行ったのか──その行き先を追いかけた記録が、静かに一行だけ増え続けているようです…
写真怪談

分解図にない部品

分解図に載っていない部品が、遺影を修整するたび一つずつ増えていく──エアブラシを洗うトレイの上で、消したはずの「誰か」が、ゆっくりと呼吸を始めた。