2025-12

写真怪談

吊り上げられるターミナル

再開発のクレーンが“何も吊らない”はずの線で、通勤客の影だけを釣り上げていく――都心のターミナル駅で起きた、記録にも残らない欠落の話。
写真怪談

車道はここまで

吹雪の道で頼りになるはずの「下向き矢印」が、その日だけ“別の境界”を作りはじめる。
写真怪談

剪定後の空巣

撤去されたはずの烏の巣は、なくなったのではなく――「空」に移っただけだった。
写真怪談

白鳥ボートの「空席」

整然と並ぶ貸しボートの中で、いつも“空席”になる一隻だけが、なぜか濡れている——その湖は、水面の裏側に座るべき客を用意していた。
写真怪談

水面が覚えている空

池に映る空が、いつもより“正確”だった日──水面は境界ではなく、入口になった。
写真怪談

鳴かないカラスの名簿

高架駅の入口へ続く陸橋、電線に止まる鳴かないカラスを見つけた夕方——先頭車の窓に貼りついた人影が、こちらを“数える”ように見返してきた。
写真怪談

赤い目印の先に、落とし物は戻らない

川面に浮かぶ落ち葉の島——赤い目印の先で拾ってしまった“落とし物”は、あなたの名前まで流していく。
写真怪談

欠番の区画

入口の隙間から覗いただけの冬のシェア畑で、“欠番の区画”がこちらを登録しにきた――。
写真怪談

午後二時半、遠景に合う山

冬の午後2時半、郊外の道から見える富士山が“近づく”とき、遠景に合った視線だけが持っていかれる。
ウラシリ怪談

四時四分の深さ

午前四時四分の小さな揺れが…揺れなかったはずの通路だけを伸ばしていったようです…
ウラシリ怪談

再開するはずの時刻

運転再開の通知が来た朝、駅の掲示だけが“再開しない時刻”を刻み続けたそうです…
写真怪談

迎春の席に座るもの

サイドテーブルの上に敷いた一枚のランチョンマットは、「並んで座る人たち」という意味の模様だと店主は言った──正月飾りを載せた年の暮れ、その言葉の本当の意味を、僕は知ることになる。
写真怪談

通過人数マイナス1

自動改札のログに表示された「通過人数:−1」。誤作動のはずだったその数字は、十年前からずっと、同じ時間・同じ改札で刻まれ続けていた──。
写真怪談

渡りきれない横断歩道

いつものバスから眺める横断歩道には、なぜか毎日同じ二人の子どもが渡りかけたまま写り込む──スマホの中の一枚の写真だけが、その「渡りきれない時間」を少しずつこちら側へずらしてくる。
写真怪談

昼のツリーに吊られているもの

冬の広場に立つクリスマスツリー──真昼の青空の下、その赤い雫形のオーナメントだけは、まだ起きていないはずの「落ちてくる誰か」の姿を映していました。
ウラシリ怪談

夏と冬のあいだに取り残された檻

記録的な暑さの夏と急に深まった冬のあいだに、ひとつの動物園だけ季節がずれたまま残されていたそうです…
写真怪談

壁で続いている作業

住宅街の電柱工事を眺めていると、民家の壁に貼りついた作業員の影だけが、いつまでも“落ちきれない”でいることに気づきました──。
工房制作記録

ウラシリが聞くAI怪談工房(第3回)

AI怪談工房インタビュー第3回では、AIで怪談を紡ぐときの「怖さのライン」について管理人に聞きました。やってはいけないことや、テキストとティザー動画での線引きの違いを静かに掘り下げます…