サイトに常設する案内ページ「AI怪談工房のご案内」のために、アイキャッチ画像を制作しました。
その過程では、AIによる画像生成の得意な部分と苦手な部分が、思いがけず浮かび上がることとなりました。
ここでは、その試行錯誤の記録を残しておきます。
目指したこと

元画像。ここからデジタルの“揺らぎ”を加えて完成を目指す。
- 元画像の保持:ウラシリ本人を崩さないこと
- 色味や構図を変えない:フォトリアルで静謐なトーンを維持
- AIらしさの演出:デジタルグリッチ(ブロックノイズ・RGBずれ・走査線)を追加
初期生成 — 方向性のずれ

色味だけが変わり、姿もわずかに別の者に。 ……まだ“揺らぎ”には届いていない。
中期生成 — 背景までノイズ

本棚にまでざわめきが広がってしまった。 効果は派手だが、静けさを欠いている。
改善版 — 人物主体へのグリッチ

人のかたちに沿って揺らぎは現れた。 だが、顔には余計な影が差し込んでしまった。
他の試行結果との比較

求めていた表現に近づいた。 しかし、その歪みは強すぎて、常設には向かない。
最終採用

いま案内ページで用いられているもの。 試みの果てに残された“ひとつの答え”。
このアイキャッチ画像は、ひとつのAIの出力だけでは完成しませんでした。
最初の元絵を描き出したAIがあり、別のAIがデジタルノイズを重ね、
最後に人の手がグリッチやRGBずれを調整して仕上げています。
つまりこれは、複数のAIと人間が同じ一枚に関わりあって形にした、コラボレーションの産物です。
生成と加工、試行と修正──その積み重ね自体が「AIと人が共に紡ぐ工房」の姿を表しているといえるでしょう。
学びとまとめ
- AI生成は 雰囲気作りは得意だが、
「人物保持+限定的なグリッチ効果」という精密加工は苦手。 - 一方で、複数の試行と役割分担を経て、最終的な完成形へ到達できた。
どれも不完全でありながら、その不完全さ自体が、AIと人が共に紡ぐ「怪談の記録」となりました。
そして完成した一枚が、現在「AI怪談工房のご案内」ページで用いられています。